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【溝口健二の映画 〜戦前名作選〜】

1月に上映してご好評を頂戴しました、<溝口健二の映画>特集の続集開催が決定。
戦後、松竹後期から大映時代の後期代表作上映に続いて、今回は戦前の代表作品より5タイトルを上映します。


3/18(日)
19(月)・20(火)
21(祝・水)・22(木)・23(金)

11:50〜 『マリヤのお雪』

10:00〜
『残菊物語』

14:00〜 活弁LIVE
『東京行進曲』『瀧の白糸』
13:30〜
『折鶴お千』

17:00〜 『折鶴お千』

15:15〜 『残菊物語

当日のみ 一般\1,300 学生・シニア・会員\1,000
*活弁大会の前売券提示で、同日18日(日)上映分の『マリヤのお雪』と『折鶴お千』をそれぞれ一般¥1,000均一に割引

マリヤのお雪、スチル画像

マリヤのお雪

1935年/80分/白黒
原作;川口松太郎(『乗合馬車』、
前半はモーパッサンの『脂肪の塊』に基く)
出演:山田五十鈴/原駒子/夏川大二郎

ヒロインが若い男の勉学を助けて身を落とし、最後に出世した男と劇的に再会するというドラマ展開は『滝の白糸』に連なるが、本作での二人は恋愛関係になく、姉弟のように慕い合う。無償の愛が純粋に謳い上げられるのである。
山田五十鈴は当時17歳だが、4歳年上の夏川大二郎を大きく包み込む母性をみごとに演じ、その美貌が絶望、慈愛、凄艶と転変し、随所で剃刀が危ない光を放つのが印象深い。
さらに、冒頭の降りしきる雨、すぐ近くにいながら気がつかないで同じ方向を凝然と見ている二人、そして一転、激しい風の神田明神での出会いと、雨と風の勢いが観客を一気に映画へ連れ込む。

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折鶴お千、スチル画像

折鶴お千

1935年/91分/白黒
原作;泉鏡花(『売色鴨南蛮』)
出演:夏川大二郎/山田五十鈴/芳沢一郎

西南戦役に揺れる薩摩から、官軍の侵攻を逃れるため乗合馬車に同乗する人々。有力人士の一家、酌婦たち、そして僧服に身を隠して途中乗車する西郷軍の兵士。自己犠牲とエゴイズム、人間の根元的な相剋という溝口的な主題を、限定された空間と時間において織りなすドラマとしてきわだたせている。
血気盛んなおきんと、騒乱を達観したまなざしで見つめるお雪の対比は、官軍大将の朝倉をめぐる後半の恋愛劇において生彩を放つ。敗残兵の中野英治が官軍の追っ手と林間で繰りひろげる、傾斜を生かした銃撃戦にはアクション監督としての溝口の一面がかいま見える。

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残菊物語、スチル画像

残菊物語

1939年/143分/白黒
脚色:依田義賢
出演:花柳章太郎/森赫子/高田浩吉

ワンシーンワンショットを多用した一分の隙もない完成度の高さで、戦前溝口の一つの頂点をなす傑作。30年代溝口による明治ものの集大成でもある。
五代目菊五郎の養子・菊之助は、周囲におだてられて慢心していたが、あるとき乳母のお徳から諌言を受け、おのれの芸の未熟さに初めて思い至る。本作での溝口のロングショット、長回しへの徹底した執着は、登場人物の顔をほとんど識別できないほど妥協を許さぬ厳しい画面の連鎖を生んでいる。
求道精神を描いて時局にも適うこのジャンルが、戦時中の映画作家にとっての“避難所”として機能したことは確かだが、ここでの溝口の作家的野心に逃避主義は微塵も見られない。

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クラシック映画ニュース

マツダ映画社から発行されている小冊子「クラシック映画ニュース」!
こちらのミニガイドにも溝口健二作品の情報がしっかりと記載されています。
澤登翠さんによる楽しいシネマ・エッセイがまた素晴らしい。
普段は関西で購入出来ない、この「クラシック映画ニュース」を、3月23日(金)までの本企画上映の開催期間中、京都みなみ会館・売店にて一部150円にて発売しております。
無声映画の魅力を紹介したマツダ映画社の各種書籍と共に、ぜひお求め下さい。


 


☆特別イベント上映 <澤登翠さん活弁大会>

3月18日(日) 13:40開場 14:00開演

東京行進曲、スチル画像

『東京行進曲(縮尺版)』
1929年/22分/白黒
原作:菊池寛
出演:夏川静江/一木札二/高木永二

大ヒットした公開当時は十巻あったとされる長編だが、現存するフィルムは20分ほどの短縮版で、貧民窟に暮らす美貌の孤児・道代をめぐる物語。
印刷工場で働く心優しい道代は、失業した叔父の家を助けるため芸者になり、執拗に言い寄る藤本を拒み通し、彼の令息、良樹と相愛の仲になる。ところが、道代は藤本と芸者の間の娘、従って良樹の異母妹、という恐るべき秘密が明らかに!
公開版では原作どおり藤本の令嬢のモガ、早百合を中心とする物語が道代の物語と並行していた。「崖上のプルジョワと崖下のプロレタリア」を具現する二人のヒロインを対置した本作は、幻の傑作『都会交響楽』とともに、溝口の傾向映画時代を代表する作品。

瀧の白糸、スチル画像

『瀧の白糸 (復元版)
1933年/101分/白黒
原作:泉鏡花(『義血侠血』)
出演:入江たか子/岡田時彦/村田宏寿

映画は、入江扮する滝の白糸が、楽屋で化粧をする間に、馬丁の欣弥との出会いを回想するところから始まる。 この時期の溝口がフラッシュバックによる話法の複雑化に野心を注いでいたことがうかがえる。また、モガ役の多かった大柄な入江たか子にあえて明治の水芸人を演じさせるという発想の大胆さも見逃せない。ここでの馬車と人力車の競争に見られるような火花散るがごとき活劇性の炸裂は、ショット数の多さや目まぐるしいぼどに激しいキャメラ移動と相俟って、溝口といえば対象を非情に突き放した長回しという先入観を快<打ち砕いてくれる。
岡田時彦はこのときすでに結核を悪化させており、1934年、32年の短い一生を閉じた。

活弁大会特別料金 前売 \1,800
当日 一般\2,000 学生\1,500 シニア・RCS会員\1,800


マリヤのお雪、スチル画像澤登翠さん

サイレント映画に「語り」を添え観客を楽しませる、日本独自の“活弁”キャリア30年以上の澤登さんは、その伝統芸を継承し、現代に生きる弁士としても 新たな境地を開拓し続けています。フランス、アメリカ、イタリアなど海外公演も行い、 活弁の魅力を世界に広めています。


主催:「溝口健二の映画」京都上映実行委員会
共催:コミュニティシネマ支援センター/(財)国際文化交流推進基金(エース・ジャパン)
/(株)マツダ映画社
問合せ先RCS tel.075-342-4050